そして友よ、静かに死ね [pleasure room]
「ギャング映画」を見たくなり、レンタル屋さんの中をウロチョロして見つけたのがこの『そして友よ、静かに死ね』でした。
「実話を元に作られた映画」と言うことがラベルに書いてあったので、若い頃に見たアンディ・ガルシャの「アンタッチャブル」を思い出して借りる事にしました。
基本的にフランス映画のテンポは私に合わない事が多いのですが、この映画はどんどん物語の中に入って行きました。
・ストーリー
その昔、伝説のギャングとして名をはせた男、エドモン・ヴィダル(通称モモン)も今は引退して還暦を迎え、妻や息子ファミリーと平和な生活をしていた。
孫の誕生パーティーのある日、勝手の強盗仲間で親友のセルジュが13年の逃亡の末に逮捕された事を知る、昔のギャング仲間達が集まりセルジュを救出する相談をした。
その理由はスペインで一緒に麻薬取引を行っていたゼルビブを裏切った末の逃亡、逮捕であった為に刑務所内でゼルビブの手下に暗殺される危険があったからだ。
初めは「自業自得だ」「腕の良い弁護士を使えばいい」と不安に思う妻を気使い自らの介入を拒んだモモンだったが、セルジュの義理の息子であるカルロとその仲間を使って警察の手からセルジュを脱出させてしまう。
結局は危険を承知で友情を選んでしまったのだ。
モモンの心の中には幼い頃、自分がロマと言うジプシー出身である事だけでいじめにあっていた所をセルジュが助けてくれた事が心の奥に深く残っていて、二人共サクランボひとつかみの盗みで犯罪者となってしまった事で同じ傷を持ち結束が強くなって行ったと思います。正しい生き方では無いですが、その後も派手な強盗を一緒に繰り返して命を助け合いながら親友になって行く。
警察からの脱獄後も仲間達は警察やゼルビブの追っ手からかくまい続けるがゼルビブの手によって次々と仲間は殺されて行く中でモモンは次第に「仲間の中に裏切り者がいる」と感じて行く・・・
個人的好みで言えば回想シーンは嫌いでストレートな時系列で進む物語が好きですが、この物語の年老いた主人公モモンの「家族を取るか?友情を取るか?」の悩みに共感を覚えると同時に主役のジェラール・ランヴァンが漂わせた「男の哀愁」をカッコイイと思いました。
若い頃に一緒にバカをやったり、支え合っていた仲間が年老いた時にそれぞれの形で活躍している事は嬉しく思えるだろう。そして危機ならば助けて上げたいと思うだろう。
しかしその引き換えに自分の家族が危険にさらされてしまうなら・・・
「セルジュに取って大切なものは何だったのだろう?」と思いました。
最後に拳銃で自分を撃ちましたが、最愛の娘が生きていたのなら自分を撃ったのでしょうか?
少しひねくれた見方ですかね・・・・
・監督/脚本
オリヴィエ・マルシャル
・原作
エドモン・ヴィダル『さくらんぼ、ひとつかみで』
・キャスト
引退した伝説のギャング・モモン(ジェラール・ランヴァン)
モモンの親友・セルジュ(チェッキー・カリョ)
モモンの仲間・クリスト(ダニエル・デュヴァル)
モモンの妻・ジャヌー(ヴァレリア・カヴァッリ)
当刑事・マックス・ブロナー(パトリック・カタリフォ)
モモン・ヴィダルの青年時代(ディミトリ・ストロージュ)
セルジュ・ステルの青年時代(オリヴィエ・シャントロー)
・2011年・フランス映画
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